和式トイレを洋式にリフォームして後悔しない|費用・補助金・工事方法までプロが解説

古い家屋に残る和式トイレを洋式に変えたいと考えている方へ。

 

この記事では、リフォームの費用相場(30〜60万円)から工事の手順、使える補助金制度、かぶせるタイプの簡易設置まで、知っておくべき情報をひとつひとつ丁寧にお伝えします。

和式トイレを洋式にリフォームするメリット・デメリット

和式トイレを洋式にリフォームすることは、日常生活の快適さを大きく変える選択です。

 

ただし、メリットだけでなくデメリットもしっかり把握した上で判断することが大切です。

 

ここでは両面を整理してご説明します。

洋式にリフォームする3つのメリット

まず洋式トイレへのリフォームが多くの家庭で選ばれている理由を見ていきましょう。

 

第一のメリットは、足腰への負担軽減です。

 

和式トイレは深くしゃがむ姿勢を維持しなければならないため、膝や腰に大きな負担がかかります。

 

高齢者や妊婦、膝に痛みを抱えている方にとっては特に使いにくい設備です。

 

洋式トイレは椅子に腰掛けるような姿勢で使用できるため、誰でも安全かつ楽に利用できます。

 

子どもが便器に落ちてしまうような事故リスクも低減されます。

 

第二のメリットは、節水効果です。

 

1976年当時のトイレが1回あたり約13Lの水を使っていたのに対し、現代の最新洋式トイレは大洗浄で3.8〜4.8L程度しか使用しません。

 

和式トイレでは1回あたり最大20L近くの水が必要なケースもあり、最新洋式トイレと比較すると水使用量は約4分の1以下になります。

 

家族4人が1日5回トイレを使うだけで、年間100,000Lを超える節水につながる計算になり、水道代の節約効果も見逃せません。

 

第三のメリットは、清潔さの維持です。

 

和式トイレは構造上、水や汚れがはねやすく、床や壁が汚れやすいという特性があります。

 

洋式トイレはフタがあるため臭いが広がりにくく、脱臭機能や除菌機能を搭載した製品も多数あります。

 

自動洗浄機能が付いた機種なら、使用後すぐに流してくれるため衛生面でも優れています。

洋式にリフォームする際の注意点・デメリット

一方で、洋式トイレへの切り替えには注意すべき点もあります。

 

まず工事費用の問題です。

 

和式トイレと洋式トイレは配管の構造や床の仕様が根本的に異なるため、大規模な工事が必要になります。

 

費用の相場は30〜60万円以上となることも多く、まとまった出費を覚悟する必要があります。

 

また、電気代の増加も考慮が必要です。

 

温水洗浄便座(ウォシュレット)付きの洋式トイレは電力を消費し、月額100〜300円程度の電気代が発生します。

 

冬場に便座ヒーターを常時オンにしておくと月500円を超えるケースもあるため、省エネモードの活用がおすすめです。

 

さらに、洋式トイレは便座・タンク・便器といったパーツが増える分、凹凸や継ぎ目も多くなります。

 

掃除の手間が増えると感じる方もいるかもしれません。

 

停電時には電気を必要とする機能が使えなくなるというデメリットも覚えておきましょう。

和式トイレを洋式にリフォームする費用相場と内訳

リフォームを検討するにあたって、多くの方がまず気になるのが費用です。

 

和式トイレを洋式にリフォームする費用相場は、選ぶトイレの種類や工事の内容によって大きく異なります。

 

ここでは費用の内訳と、トイレ種類別の相場を詳しく解説します。

工事費用の内訳一覧

和式から洋式へのリフォームでは、便器本体の価格だけでなく、多岐にわたる工事費用が発生します。

 

以下の表に主な費用項目をまとめました。

工事内容 費用相場
解体費(床の段差解消含む) 約5〜15万円
和式便器の撤去費 約0.5〜1万円
床・壁の補強工事 約6〜8万円
内装工事(クロス・床材張り替えなど) 約4〜8万円
電気工事(コンセント増設など) 約2〜3万円
給排水管工事 約2〜3万円
洋式トイレの取り付け工事 約1.5〜2万円
洋式トイレ本体 約10〜20万円(一般品)
周辺商品・諸経費 約4〜10万円
合計目安 約35〜70万円

なお、国土交通省告示第384号によれば、便器を洋式に取り替える際の標準的な工事費用相当額は348,500円と定められており、一つの目安となります。

 

温水洗浄便座(ウォシュレット)用のコンセントが必要な場合は、別途10,000〜20,000円程度の電気工事費が加算されます。

トイレの種類別リフォーム費用

費用の大部分を占めるのがトイレ本体の価格です。

 

洋式トイレは大きく3種類に分かれ、それぞれ価格帯が異なります。

トイレの種類 本体価格目安 リフォーム総額目安 特徴
組み合わせトイレ 10〜20万円 35〜50万円 便器・タンク・便座が別体。
価格が抑えやすく、故障時に部品交換しやすい
一体型トイレ 20〜35万円 40〜55万円 便器・タンク・便座が一体。
デザイン性が高く掃除しやすい
タンクレストイレ 20〜50万円 45〜70万円 タンクがなくスリムで省スペース。
高機能だが価格は最も高め

組み合わせトイレは初期費用を抑えやすい半面、パーツの隙間に汚れが溜まりやすいという面があります。

 

タンクレストイレはスタイリッシュで空間を広く使えますが、停電時に水を流せないリスクと高めの本体価格が課題です。

 

一体型トイレは性能とコストのバランスが良く、和式からのリフォームで最も選ばれやすいタイプといえます。

和式トイレを洋式にリフォームする工事の流れと期間

「工事が始まったらどのくらいトイレが使えないのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

 

和式から洋式へのリフォーム工事は、一般的に1日〜5日程度かかります。

 

床下の基礎補修やコンクリート工事が必要な場合は3日以上になることもあります。

 

工事期間中はトイレが使用できないため、事前にご近所のトイレや仮設トイレの手配を検討しておきましょう。

工事の具体的な手順

工事は以下の順番で進みます。

 

まず第一段階として、既存の和式便器と床を解体・撤去します。

 

便器本体とタンク、手洗い器などを取り外し、壁のクロスや床材、段差部分も取り除きます。

 

排水管が老朽化している場合は、この段階で古い管の撤去と交換作業も行います。

 

次に第二段階として、配管工事と電気工事を実施します。

 

給水管・排水管の位置を洋式トイレに合わせて調整し、新設または改修します。

 

温水洗浄便座(ウォシュレット)を設置する場合は電気配線工事も必要で、必ず有資格の電気工事士が担当します。

 

「感知」センサー付きの自動開閉・自動洗浄機能を搭載する機種では、センサー用の配線も同時に行います。

 

第三段階では、床と壁の下地工事・内装工事を進めます。

 

和式トイレと洋式トイレでは床の構造が異なるため、木材などを使って下地を整え、洋式トイレが安定して設置できる状態を作ります。

 

その後、クッションフロアや壁紙(クロス)を張り替えて内装を仕上げます。

 

タイル張りだった床をクッションフロアに変更する場合も、この工程で行います。

 

最終段階として、新しい洋式トイレの設置・接続を行います。

 

便器本体を固定し、給水管・排水管・コンセントを接続します。

 

手すりや手洗い器などの付帯設備もこのタイミングで取り付け、動作確認・水漏れチェックを行って完了です。

和式トイレを洋式にリフォームする際の補助金制度

和式トイレを洋式にするためのリフォームには、複数の補助金・助成金制度を活用できる場合があります。

 

費用の負担を軽減するためにも、事前に利用できる制度を確認しておくことが重要です。

介護保険による住宅改修補助

介護保険は、和式トイレを洋式にリフォームする際に特に活用しやすい制度です。

 

要支援・要介護の認定を受けた方が自宅に暮らしている場合、工事費用20万円を上限として7〜9割(最大18万円)の給付を受けることができます。

対象工事には洋式便器への取り替えのほか、手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更なども含まれます。

 

 

給付を受けるためには着工前の申請が必要であるため、利用を検討している方はケアマネージャーに早めに相談しましょう。

 

なお、介護保険は福祉用具としての位置付けもあり、工事を伴わない簡易型便座の購入に「特定福祉用具購入」として適用されるケースもあります。

子育てグリーン住宅支援事業(旧:子育てエコホーム支援事業)

国が実施するこの補助金制度では、節水型トイレへのリフォームが「エコ住宅設備の設置」として対象になります。

 

和式から洋式へのリフォームが直接の補助対象となるわけではありませんが、節水性能の高い洋式トイレを選ぶことで補助の対象として認められる場合があります。

 

補助上限額はリフォームの内容に応じて異なり、子育て世帯・若者夫婦世帯は最大40〜60万円、その他の世帯は最大20〜40万円が目安です(2025年5月時点の情報)。

 

申請や詳細な条件については、施工業者や自治体の窓口でご確認ください。

長期優良住宅化リフォーム推進事業

この補助金は、省エネ性や耐震性の向上を目的としたリフォームを対象としています。

 

トイレのリフォーム単体では補助の対象になりにくいですが、断熱改修工事や耐震改修工事などと組み合わせることで対象となるケースがあります。

 

節水型洋式トイレの設置や同居のためのトイレ増設を伴う場合も補助の対象です。

 

補助額は工事費用の3分の1で、上限は評価基準型で80万円、認定長期優良住宅型で160万円となっています。

各市区町村の独自補助金

地方自治体によっては、和式トイレの洋式化リフォームに独自の助成金を設けているところがあります。

 

たとえば東京都足立区の「住宅改良助成制度」では、65歳以上または要介護・要支援認定を受けた方がいない世帯を対象に、和式から洋式トイレへの変更で1箇所あたり8万円の助成が受けられます。

 

東京都中野区でも高齢者向けの給付制度として最大9万円の支援を行っているケースがあります。

 

お住まいの自治体に補助制度があるか、リフォーム前に必ず確認することをおすすめします。

費用を抑えて和式トイレを洋式にする「かぶせるタイプ」の選択肢

大規模なリフォーム工事をせずに、低コストで和式トイレを洋式に近い使い心地にする方法もあります。

 

それが「置くだけ」で設置できる簡易洋式便座、いわゆる「かぶせるタイプ」の製品です。

置くだけで設置できる簡易洋式便座とは

簡易洋式便座とは、既存の和式便器の上にそのまま置くだけで腰掛け式の使い心地を実現できる便座器具です。

 

工事が不要なため、取り付けが即日完了し費用も大幅に抑えられます。

 

TOTOが販売する「スワレット」が代表的な製品で、和風改造用便器として40年以上のロングセラーを誇ります。

 

スワレットはプラスチックではなく陶器製であることが特徴で、対応する和式便器の品番(C375AV・C375AVF・C750AV)が限定されています。

 

簡易洋式便座のメリットとデメリットは以下のとおりです。

項目 内容
メリット① 工事不要で即日取り付け可能
メリット② 費用が安く抑えられる(スワレット本体約4万円程度)
メリット③ 足腰への負担を軽減し、高齢者や体が不自由な方にも対応
デメリット① 勢いよく座るとズレる可能性がある
デメリット② 便器との接地面に汚れが溜まりやすく掃除が難しい
デメリット③ トイレ空間が狭くなる場合がある
デメリット④ 脱臭機能が限定的で臭いが気になりやすい

なお、スワレットにウォシュレット(温水洗浄便座)を後付けする場合は、トイレ内に電源コンセントが必要です。

 

古いトイレで電源がない場合は、電気工事が別途必要になる点に注意しましょう。

 

また、かぶせるタイプであっても、給排水工事や固定工事を伴う設置であれば介護保険制度の「住宅改修」の対象になる可能性があります。

簡易洋式便座とフルリフォームの使い分け方

置くだけの簡易洋式便座は、あくまでも応急処置的・暫定的な対応として有効な手段です。

 

長期的な快適性・清潔さ・安全性を考えると、本格的な洋式トイレへのフルリフォームが理想といえます。

 

予算や住居の状況、使用する人の身体的な状態に応じて、最適な方法を選びましょう。

 

たとえば、一時的に対応したいという場合や予算が限られている場合は簡易タイプ、将来のバリアフリー化や長く住み続ける予定の場合はフルリフォームが適しています。

和式トイレを洋式にリフォームする際のトイレ選びのポイント

和式から洋式へのリフォームでは、新築時のトイレ選びとは異なる視点が必要です。

 

現在の配管の状態やトイレスペースの寸法を正確に把握した上で選ばなければ、せっかくリフォームしても使いにくくなってしまうことがあります。

排水方式と排水芯の確認が最重要

和式トイレの排水方法には「床排水」と「壁排水」の2種類があります。

 

床排水の場合は排水管の中心から奥の壁までの距離(排水芯距離)を、壁排水の場合は排水管の中心から床までの距離を測定することで、設置できる洋式トイレの機種が絞られます。

 

床排水は排水管が床下に隠れているため素人には測定が難しく、プロに現地確認を依頼するのが安全です。

トイレスペースの寸法を測ること

洋式トイレは便座に座った際に足を前方に下ろすスペースが必要です。

 

和式トイレより設置面積が大きくなるケースが多く、トイレ空間の長辺側で少なくとも80cm以上の余裕が必要といわれています。

 

スペースが狭い場合はタンクレストイレのようなコンパクトな機種を選ぶか、壁を取り外して空間を広げる内装工事を検討しましょう。

 

戸建て住宅のトイレは約0.5坪、マンションでは約0.4坪が一般的なサイズの目安です。

用途・予算に応じたトイレの種類の選び方

前述のとおり、洋式トイレは組み合わせ・一体型・タンクレスの3タイプに大別されます。

 

初期費用を抑えたい方や故障時の部品交換を重視する方には組み合わせトイレ、清掃性とデザインのバランスを求める方には一体型トイレ、省スペースと高機能を優先する方にはタンクレストイレがそれぞれ向いています。

 

また、ウォシュレット(温水洗浄便座)の搭載を希望する場合は、コンセントの設置が必要になる点も確認しておきましょう。

 

人感センサーで便蓋が自動開閉したり、便器内を自動洗浄したりする「感知」機能付きの上位モデルも、各メーカーから豊富に展開されています。

まとめ

和式トイレを洋式にリフォームすることで、足腰への負担軽減・節水・清潔さの維持といった多くのメリットが得られます。

 

費用の相場は選ぶトイレの種類によって異なりますが、総額35〜70万円程度を目安にしておきましょう。

 

介護保険の住宅改修(最大18万円給付)や各自治体の補助金を活用すれば、実質的な費用負担を大きく抑えることも可能です。

 

大がかりな工事が難しい場合は、置くだけのかぶせるタイプ(スワレットなど)も選択肢のひとつです。

 

排水芯の位置やトイレスペースの寸法確認など、事前の調査が成功するリフォームのカギとなります。

 

プロに相談しながら最適なプランを選び、快適なトイレ環境を実現しましょう。

よくある質問

和式トイレを洋式にリフォームするのに何日かかりますか?

標準的な工事期間は1日〜5日程度です。

 

床下の基礎補修やコンクリート工事が必要な場合は3日以上かかることもあります。

 

工事期間中はトイレが使用できないため、事前に代替手段を準備しておくことをおすすめします。

介護保険を使って和式トイレを洋式にリフォームできますか?

要支援・要介護の認定を受けた方がいる世帯であれば、工事費用20万円を上限に7〜9割(最大18万円)の給付を受けることができます。

 

ただし、着工前に申請が必要なため、ケアマネージャーへの相談を早めに行いましょう。

 

置くだけの簡易洋式便座(かぶせるタイプ)はどの和式トイレにも取り付けられますか?

 

TOTOのスワレットの場合、取り付け可能な和式便器の品番はC375AV・C375AVF・C750AVの3種類に限定されています。

 

まずはご自宅の和式便器の品番を確認し、対応しているかどうかをチェックすることが重要です。

ウォシュレット付きの洋式トイレにリフォームするには電気工事が必要ですか?

はい、温水洗浄便座(ウォシュレット)を設置するためにはトイレ内に専用コンセントが必要です。

 

コンセントがない場合や位置が遠い場合は、別途1〜2万円程度の電気工事費がかかります。

 

電気工事は必ず資格を持った電気工事士に依頼してください。

和式から洋式にリフォームする費用を安く抑えるにはどうすればよいですか?

まず、組み合わせトイレなど低価格帯の機種を選ぶことで本体費用を抑えられます。

 

加えて、介護保険の住宅改修や自治体の補助金制度を積極的に活用しましょう。

 

複数の業者から相見積もりを取ることも、適正価格を把握するために有効な手段です。

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