トイレのつまりで逆流が起きたら|やってはいけない行動と今すぐできる直し方6選

トイレのつまりや逆流は、突然起きる緊急トラブルです。

 

大雨やマンションの下水管トラブルが原因になることもあり、放置すると床が水浸しになる深刻な事態に発展します。

 

この記事では、逆流の原因から自分でできる直し方、業者に頼むべきタイミングまで、順を追ってわかりやすく解説します。

トイレが逆流する原因とは?つまりだけじゃない3つのケース

トイレの逆流と聞くと「つまり」をイメージする方が多いと思いますが、原因はそれだけではありません。

 

便器内のつまりはもちろん、排水管の詰まりや、大雨・災害による下水道の異常も逆流を引き起こします。

 

まずは3つの主な原因を把握して、自分の状況がどれに当てはまるかを確認しましょう。

原因① 便器の奥でのつまり

便器の内部はS字型の排水路になっており、物が引っかかりやすい構造です。

 

トイレットペーパーを大量に一度に流したり、ティッシュペーパーや流せないおしりふきを誤って流してしまったりすることで、この部分に詰まりが生じます。

 

スマートフォンやメガネ、ボールペンなどの固形物をうっかり落としてしまうケースも意外と多く、これらは水に溶けないため特に厄介です。

 

うんこや大量の排泄物が原因になることもあり、便器の出口付近で止まってしまうと水が行き場を失い逆流します。

原因② 排水管・排水口のつまり

便器の奥にある排水管や排水口が詰まるケースもあります。

 

流しきれなかった汚物や油脂分、尿石などが排水管の内壁に少しずつ蓄積し、管内を狭くしていくのが典型的なパターンです。

 

タンク内にペットボトルを入れるなどの誤った節水方法も原因になります。

 

水量が不足すると汚物を押し流す力が弱まり、排水管の途中で止まってしまうのです。

 

マンションなどの集合住宅では、トイレの汚水管と台所・浴室の雑排水管が床下で合流していることがあり、排水管が詰まるとゴボゴボという異音とともに浴室の排水口から水が逆流してくることもあります。

原因③ 大雨・災害・排水ポンプの故障

ゲリラ豪雨や台風などの大雨が降ると、大量の雨水が一気に下水道に流れ込みます。

 

排水が追いつかなくなった下水道は満水状態になり、逃げ場を失った水がトイレに向かって逆流してきます。

 

この場合、便器の奥からゴボゴボという音が聞こえるのが前兆のサインです。

 

また、地下や半地下にトイレがある建物では排水ポンプを使って汚水を汲み上げていますが、このポンプが故障すると同様に逆流が起きます。

 

大規模地震で排水管や下水管が破損した場合も、地震直後にトイレを流すと逆流しやすくなるため注意が必要です。

トイレが逆流したときに「やってはいけない」行動

逆流が起きると焦って行動してしまいがちですが、間違った対処が状況をさらに悪化させることがあります。

 

直し方を試す前に、まず「やってはいけないこと」を確認しておきましょう。

もう一度レバーを引いて流してはいけない

トイレが詰まって水が逆流してきたとき、最も多い失敗が「もう一度流せば直るかも」と思いレバーを引いてしまうことです。

 

タンクの水が全量放出されることで、ただでさえ溢れそうな便器の水がついにあふれ出し、床が水浸しになってしまいます。

 

自動洗浄機能付きのトイレの場合は、センサーが反応して意図せず流れてしまうこともあるため、詰まりに気づいたらすぐにコンセントを抜くことが大切です。

止水栓を閉めてウォシュレットの電源を抜く

逆流に気づいたら、最初にトイレの止水栓を閉めましょう。

 

止水栓はタンク横のパイプについているマイナスネジで、コインやマイナスドライバーで右に回すと閉まります。

 

次にウォシュレットの電源プラグを抜きます。

 

ノズルが水に濡れている場合は、感電を防ぐためにゴム手袋をつけて乾いた布で拭いてから抜くようにしましょう。

 

この2つの初期対応を行うだけで、被害の拡大をかなり抑えることができます。

固形物が原因のときにラバーカップを使ってはいけない

スマートフォンや子供のおもちゃなど、固形物が原因で詰まっている場合にラバーカップ(スッポン)を使うのは逆効果です。

 

ラバーカップは引く力で異物を手前に引き出す道具ですが、力のかかり方によっては固形物をさらに奥に押し込んでしまうリスクがあります。

 

固形物が原因と思われる場合は、無理に自分で対処しようとせず、専門業者に相談するのが賢明です。

自分でできるトイレ逆流の直し方6選

便器内のつまりが原因であれば、自分で対処できるケースがあります。

 

以下で紹介する方法は、主にトイレットペーパーや排泄物などの水溶性のものが原因の場合に有効です。

 

固形物が詰まっている場合や原因が不明な場合は、無理に試さず業者に連絡してください。

直し方① ぬるま湯を流す

トイレットペーパーや便が詰まっているときに試しやすい方法です。

 

50度程度のぬるま湯をバケツに用意し、便器の半量程度を目安に少しずつ流し込みます。

 

熱湯を使うと便器が急激な温度変化でひび割れる恐れがあるため、必ずぬるま湯を使うことが重要です。

 

注いだ後は1時間ほど放置し、詰まりがふやけて流れやすくなるのを待ちましょう。

 

その後、少量の水を流して正常に排水されることを確認します。

直し方② バケツで勢いよく水を流す

水流の勢いでつまりを押し流す方法です。

 

まず便器内に溜まった水をバケツで可能な限りくみ出します。

 

次に新しい水をバケツに入れ、腰の高さくらいから勢いよく便器に流し込みます。

 

水が飛び散ることがあるので、床や壁を新聞紙やビニールシートで養生しておくと安心です。

 

なお、下水が目や口、傷口に飛び散るリスクもあるため、衛生面が心配な場合は他の方法を先に試しましょう。

直し方③ ラバーカップ(スッポン)を使う

ラバーカップは和式用・洋式用・節水型トイレ用の3種類があります。

 

自宅のトイレに合ったタイプを選ぶことが重要で、サイズが合わないと吸引力が十分に発揮できません。

 

カップが浸かるくらいの水量が便器内にあることを確認し、カップを便器の排水口にゆっくり押しつけてから、素早く引き抜きます。

 

この「ゆっくり押し込んで素早く引く」動作を数回繰り返すことで、詰まりの原因を手前に引き出せます。

 

水の飛び散り防止のため、ラバーカップの柄が通る穴をあけた大きめのビニール袋を便器に被せてから作業すると効果的です。

直し方④ 重曹とお酢(クエン酸)を使う

トイレットペーパーや排泄物が原因の詰まりに効果的な方法です。

 

まず便器内の水をくみ取り、重曹を150g程度入れます。

続いてお酢を100ml注ぐと発泡反応が起き、詰まりをほぐす効果があります。

 

その後50度程度のぬるま湯を便器の半分ほど注ぎ、1時間ほど放置します。

 

最後に水を少しずつ流して正常に排水されれば作業完了です。

 

換気を十分に行い、ゴム手袋を着用して作業しましょう。

直し方⑤ 食器用洗剤とぬるま湯を使う

重曹がない場合は、食器用洗剤で代用できます。

 

食器用洗剤を100cc程度便器に入れ、50度程度のぬるま湯を便器の半分くらいまで注ぎます。

 

洗剤に含まれる界面活性剤がトイレットペーパーや汚物を溶かしやすくする効果があります。

 

洗剤の種類によって待機時間が異なるため、使用する洗剤の説明書に従って時間をおいてから確認しましょう。

 

パイプクリーナーも同様の効果が期待でき、次亜塩素酸や水酸化ナトリウムなどの成分が詰まりを溶解します。

直し方⑥ ワイヤーブラシを使う

ラバーカップなどで改善しない場合の最終手段として使う道具です。

 

ホームセンターで2,000円〜6,000円程度で購入できます。

 

ワイヤーブラシの先端を排水管の向きに合わせてセットし、ハンドルを押し込みながら回転させ、詰まりの原因に当たったらその場でハンドルを回します。

 

トイレットペーパーや排泄物であれば少しずつほぐしながら押し出せますが、固い異物には使えないため注意が必要です。

 

硬度が不十分なワイヤーブラシは便器内で折れてしまう恐れがあるため、購入時には硬度と長さをしっかり確認しましょう。

大雨・マンションのトイレ逆流に特有の対策

大雨や集合住宅特有の構造が原因でトイレが逆流する場合、通常の直し方とは異なるアプローチが必要です。

 

こうしたケースでは自己対処が難しいことも多いため、正しい予防策と初動対応を知っておくことが重要です。

大雨・台風時は「水のう」で逆流を防ぐ

台風や豪雨の際は、下水道に流れ込む大量の雨水が処理しきれずにトイレへ逆流することがあります。

 

この場合の有効な予防策が「水のう」を便器内に設置する方法です。

 

市販の指定ごみ袋などを2枚重ねにして半分ほど水を入れ、中の空気を抜いて口を縛れば完成します。

 

この水のうを便器の中に置くことで下水管からの逆流を物理的に防ぎます。

 

トイレだけでなく、浴室や洗濯機の排水口にも置くと効果的です。

 

大雨の予報が出ている日は、ゴボゴボという音がしたら大量の水を一気に流す行動(洗濯・入浴など)を控えることも大切です。

マンション・集合住宅での逆流は他の排水口も確認する

マンションなどの集合住宅では、トイレの汚水管と浴室や洗濯機の排水管が床下で合流していることがあります。

 

この場合、排水管内で詰まりが生じると、浴室の排水口や洗濯機の防水パンから汚水が逆流してあふれることがあります。

 

トイレが詰まったと思ったら、浴室や洗濯機置き場の排水口も確認しましょう。

 

他の排水口からも逆流が起きているときは、ラバーカップは使わないでください。

 

ラバーカップで圧力をかけると、他の排水口から汚水がさらにあふれ出してしまいます。

 

この場合は洗濯機の排水口などから電動トーラーを使う専門作業が必要になるため、管理会社か業者に早急に連絡することが先決です。

逆流が悪化したときの被害と衛生リスク

トイレの逆流が悪化すると、廊下やリビングまで水浸しになることがあります。

 

床材や壁紙への浸水、床下の腐食、下水の臭いが染みつくといった被害が起き、リフォームや補修が必要になるケースも珍しくありません。

 

さらに、下水に含まれる雑菌が目や傷口に入ると感染症リスクもあります。

 

マンションなどの上階では、階下への水漏れによって高額な損害賠償が発生する事態にもなりかねません。

 

逆流が起きたら早急に被害を最小限に抑える行動を取ることが重要です。

業者に依頼すべき状況の見極め方

自分で対処できるケースがある一方、無理に手を出すと症状が悪化してしまう状況もあります。

 

以下のような場合は、自力での作業をやめて速やかに専門業者に連絡しましょう。

状況 理由・補足
固形物(スマホ・メガネなど)を流してしまった ラバーカップで奥に押し込むリスクがある。
便器を外して取り出す作業が必要になる場合も。
自分で試したが改善しない 非水溶性の異物や排水管の経年劣化が原因の可能性がある。
対処したら状況が悪化した 異物がさらに奥に入り込んだ恐れがある。
早急な対応が必要。
他の排水口でも逆流が起きている 排水管や下水マスの詰まりが疑われる。
ラバーカップ使用は逆効果。
大雨・地震・土砂災害後の逆流 排水管・下水管の破損の可能性。
水道局や指定工事店への相談が必要。
排水ポンプの故障が疑われる 素人では修理不可能。
複数箇所で同時に異常が出る場合は特に注意。

業者を選ぶ際は、無料見積もりがある、料金が明朗、電話対応が丁寧といったポイントを基準にしましょう。

 

修理業者に依頼するなら、症状を悪化させる前の早い段階のほうが作業費用が抑えられることが多いです。

トイレ逆流の予防策|日頃の使い方で防げることが多い

トイレのつまりや逆流の多くは、日頃の使い方を少し見直すだけで防ぐことができます。

 

以下のポイントを日常的に意識しておきましょう。

トイレットペーパーと流す量に気をつける

トイレットペーパーは水溶性ですが、一度に大量に流すと溶けきらずに詰まります。

 

便器内の排水路の直径はおよそ7.5cmと細く、大量のペーパーが流れ込めばすぐに塞がれてしまいます。

 

量が多くなりそうなときは2〜3回に分けて流すことを習慣にしましょう。

 

流せると書かれているトイレクリーナーや猫砂も、使用量の注意書きを守って単独で流すことが大切です。

正しいレバーの使い分けを意識する

一般的なトイレは大レバーで約8L、小レバーで約6Lの水が流れます。

 

うんこなどの排泄物を流すときに小レバーを使うと水量が足りず、排水管の途中で詰まりが生じる原因になります。

 

排泄物を流すときは必ず大レバーを使い、こまめに流す習慣をつけましょう。

タンク内にペットボトルを入れる節水はやめる

タンク内にペットボトルを入れてかさ増しする節水方法は、各メーカーが設計した適正な水量を狂わせます。

 

大レバーを引いても十分な水量が出なくなり、汚物が流れきらずに排水管内に残り続けることで詰まりが進行します。

 

節水のつもりが修理費用というかたちでより大きなコストに跳ね返ってくることも十分あり得ます。

戸建て住宅では下水マスを定期的に点検する

戸建て住宅にお住まいの方は、庭などに設置されている下水マスのフタを定期的に開けて内部を確認することをおすすめします。

 

木の根が入り込んでいたり、油脂分や尿石が固着していたりするのを早期発見できれば、トイレの逆流を未然に防ぐことができます。

 

マス内に汚水が溜まっていたり、流れが明らかに悪くなっていたりする場合は、業者への相談を検討しましょう。

まとめ

トイレのつまりや逆流は、便器内の詰まり・排水管の詰まり・大雨や排水ポンプ故障など複数の原因で起こります。

 

逆流に気づいたらまず止水栓を閉め、コンセントを抜き、絶対にもう一度流さないことが鉄則です。

 

原因がトイレットペーパーや排泄物のような水溶性のものであれば、ぬるま湯・ラバーカップ・重曹と酢など自分でできる直し方を試せます。

 

固形物が原因、自分で試しても改善しない、大雨や災害が原因の場合は早急に専門業者へ依頼しましょう。

 

日頃から適量の水をこまめに流し、誤った節水方法を避けることが、逆流の最大の予防策です。

よくある質問

 

トイレが逆流したとき、最初にやるべきことは何ですか?

まずトイレの止水栓を閉め、ウォシュレットのコンセントを抜くことが最優先です。

 

自動洗浄機能付きのトイレはセンサーが反応して意図せず流れることがあるため、電源を切る対応も忘れないようにしましょう。

 

その後、原因を冷静に判断してから対処法を選んでください。

 

大雨の日にトイレが逆流しやすいのはなぜですか?

大雨が降ると大量の雨水が下水道に一気に流れ込み、処理能力を超えた水が逆流してくるためです。

 

このとき便器の奥からゴボゴボという音がするのが前兆のサインです。

 

大雨の日はなるべく大量の水を一度に流さず、水のうを便器に置いて逆流を防ぐ対策が有効です。

 

マンションでトイレが逆流したとき、浴室の排水口も確認する必要はありますか?

はい、確認することを強くおすすめします。

 

集合住宅ではトイレの汚水管と浴室・洗濯機の排水管が床下で合流していることがあり、排水管が詰まると浴室の排水口から汚水が逆流してくることがあります。

 

他の排水口でも逆流が起きている場合は、ラバーカップを使わず速やかに管理会社や業者に連絡してください。

 

ラバーカップ(スッポン)はどんな詰まりに使えますか?使えない場合は?

ラバーカップは主にトイレットペーパーや排泄物など水溶性のものが原因の詰まりに有効です。

 

スマートフォンやメガネ、おもちゃなどの固形物が原因の場合は、押し込んでさらに奥に入れてしまうリスクがあるため使用を避けてください。

 

固形物が疑われる場合は専門業者に依頼するのが安全です。

 

タンク内にペットボトルを入れる節水方法はなぜ良くないのですか?

タンク内にペットボトルを入れると、大レバーを使っても適正な水量が確保できなくなるからです。

 

各メーカーは排泄物を流すのに必要な水量を計算して設計していますが、この水量が不足すると汚物が排水管の途中に残り、詰まりや逆流の原因になります。

 

節水が修理費用という余計なコストに変わる前に、この方法はやめることをおすすめします。

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